結構、衝撃的な結果である
タイ国立スワンドゥシット大学が9~12日に実施した新型コロナウイルス感染症に関するオンライン世論調査(回答者1116人)で、外国人旅行者のタイ入国再開を「望まない」との回答が75.7%に上り、「望む」は24.3%と、全体の4分の1以下に過ぎなかった。この世論調査、大学の調査ということもあり、どこまで国民世論をは反映しているかわからないが、結果は、かなり衝撃的である。
既にほぼ市中感染を抑え込んでいるタイからすれば、業界の悲鳴やタイ政府や経済界の早く外国人の受け入れを進めて経済を回復したい思惑に冷水をかけたような結果である。新型コロナ感染が世界的には拡大模様ーパンデミックーのなか、おいそれと外国人を受け入れたくないというタイ国民の意識の現れであろう。
コロナ禍後は、旅の姿が変わってくる
観光業が主要産業であるタイでは、ホテルなどが観光客の受け入れ準備を進め、外国人の入国禁止措置の緩和に動き、先ずは7月に医療観光者などの受け入れ再開を検討している。2国間の往来再開についても、日本や中国、韓国、ベトナムなどが候補に挙がっているが、近年のバブルのような中国人団体旅行の席巻や外国人の我が物顔の観光旅行が、実はタイに限らず、一般の国民のレベルでは日本と同様に外国人の我が物顔が反感を生んでいるというのが、コロナ禍で露出して来たということであろう。
外国に別天地をつくるセレブ旅行、大声で自国語を喋り爆買いする団体旅行、風俗目当ての旅行なぞ、コロナ禍依然では当たり前の旅の姿は、地元の人からすれば冗談じゃない、というのはよく解る事。コロナ後の旅は、地元民の理解なくしては成り立たないであろう。それは、健全な姿である。
ちなみにタイの観光市場が回復する時期については、41.4%が「1年後」、25.9%が「6カ月以内」、20.5%が「2年後」と回答であった、という。