やがてなくなる風物詩ーカンポットの塩田ー

カンボジア

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2019年04月05日

塩田を見るなら今のうち!

今やアンコール遺跡群に次ぐ人気が集まるカンポット、近くに海辺の保養地ケップや高原保養地プノン・ボコールもあり、休日ともなると多くの行楽客を集めるようになりました。街の中心の2つのロータリーのモニュメントは大きなドリアン潮汲み像、どちらもカンポット名物です。ドリアンは、カンボジア人でも好き嫌いがありますが、塩は生活に欠かせない。この塩ですが、塩田製法による天然塩でカンポットからケップ、さらにベトナムに続く海岸線には塩田作業が見られます。これは、カンポットとの風物詩と知られているものですが、やがて消えてゆく運命にあるようです。塩田を見るなら今のうち!

カンポット市街ロータリーの潮汲み像。

「カンポット・ケップ塩協会が解散危機」に「中国からの大量輸入」

この3月、AFP伝は、「15年続いたカンポット・ケップ塩協会が解散危機」という記事を報じた。AFP伝を受け、国内紙も「15年続いたカンポット・ケップ塩協会は、会員の3割が退会することを受け、3月末に解散する。」と報じています。同協会よると、カンポットとケップには塩生産者が200世帯おり、4800ヘクタールの土地で塩を生産している。需要は年間8万トンから10万トンあるという。同協会のブン・バレイン理事は、「少なくとも3割の会員が退会した。協会の関与が無くても自分のビジネスが上手くいくと思えば退会を望む。協会として存在できない」と述べている

2018年11月、国内塩不足で急きょ中国から緊急輸入3万トン

昨年の塩の高価格は、異常気象による塩不足に直面したためである。昨年11月には、急きょ中国から3万トンの塩を輸入することになった。上記のブン・バレイン理事はまた、「カンボジアが、需要を満たせないために塩を輸入するのはこれで2回目だ。豪雨の後、同国の塩生産者は必要な量の塩を収穫することができない」と述べているが、同報道では、つぎのような懸念も挙げている。

・ある地元企業の責任者は、「業界が塩の輸入を続けているのであれば、国内の生産に影響を及ぼし、輸入完成品との激しい競争を招くだろう」と語った。

・ある塩生産者は、「塩の加工にコストがかかる。完成品の輸入は安価だ。これらの輸入された完成品の大規模な消費は、地元生産者にとって課題となるだろう」と語った。

 カンポットの製塩、工業化以前の途上国のみ可能な姿

風物詩は過酷な労働に支えられている

乾季真っ最中の1月ー4月が塩田での収穫期。特に3-4月はカンボボジアの酷暑季、炎天下の重労働となる。

カンポットの風物詩ー製塩は、海水を塩田に汲み上げ(ポンプ使用)、そして天日で採塩するという揚げ浜式塩田、これは市場が狭い工業化以前の途上国でのみ存続可能な製塩手法である。

現在、潮汲みに動力ポンプが使用されているが、塩田作業はポンプ汲み上げ以外は、依然として肉体労働に頼る製塩である。遮るもののない炎天下の作業は過酷である。「揚げ浜式」製塩という潮汲み作業ろ天日干が必要な塩田、日本なら江戸期の瀬戸内海や知多湾で見られた塩田風景である。「揚げ浜式」は潮の干満を利用した「入り浜式」製塩に移行するが、明治期以降は硫化式製塩に席巻され、この方式は戦後まで残ったがイオン交換膜製塩法(イオン交換膜と電力を利用する方式)が導入され、1970年代には日本の塩田はわずかに歴史的産業遺産と残された他は全廃されている。

近い将来、塩田は消滅する運命

塩田沿いの小屋は作業・貯蔵庫。

風物詩は観光資源であるが、カンボジアの経済発展では、そんなものにかまっていられないというカンボジア政府経済担当者の本音であろう。近い将来、まちがいなく塩田は消えてゆく。揚げ浜式の天然塩(荒塩)は、工場の製塩よりもカリウム、ナトリウムが豊富といった「健康志向」論があるが、それは敢えて天然塩を持ち上げる好事家か天然塩の商品化で付加価値を謳っているに過ぎない。日本では、ほぼ100%工場製塩、それで健康被害が出た(塩分取り過ぎとは別問題!)という話や料理の味が変わったという話は一般にでていない。カンポットの製塩、要は労働コストと価格が大きく乖離するのは時間の問題である。塩田は早い将来消滅する。

塩田を見るなら今のうち―カンポットからケップ、ベトナム国境への海岸線—

コンポントラッチの街から南下してベトナム国境検問所に向かう国道33号線沿い右手に広大な塩田が広がる。背後の小山の向こう側にアンかウル・ビーチがる。
製塩についてのインフォメーションセンター(製塩資料館)はぜひ、訪ねたい。

カンポットの街近くの海岸線は既に中国資本の買い占め進み、海岸沿いのチャム族集落は俄か景気に沸いたという。塩田作業を見るなら、カンポットの街から国道33号線を東に向かい、コンポントラッチの街から右折してベトナム国境に向かう同号線沿いに広がる塩田が良い。塩田北沿いには塩の貯蔵小屋も見られ、近くに製塩のインフォメーッションセンター(資料館)や売店もある。収穫期は1-4月(乾季、特に3-5月は酷暑季)が、収穫期以外でもインフォーメーションセンターや売店は開かれるという。

製塩についてのインフォメーションセンター(製塩資料館)内の展示。

参照:「カンポットの塩田見学」についての詳細は、カンボジアの旅案内で実績(20年余)を誇るニューサイ・トラベルサービスにお問合せ下さい。また、下の画像をクリックして「ニューサイ・トラベルサービスの公式ホームページ」をお訪ねください。

 

 

 

 

 

 

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