ダラ・サコーリゾート(Dara Sakor Resort)が大幅にグレードアップー米国が懸念する「リゾート」開発―

                           

2019年06月01日

ダラ・サコーリゾート、2019年版プロモーション動画が登場

5月29日、プノンペンの独立記念塔ロータリーからシハヌーク通りを東に進みシソワット通りとの交差点、CGTPセンターの前にある大型電子掲示板に突如、「ダラ・サコーリゾート」の新たなプロモーション動画が流れていた。よく見ると、同リゾートが大幅にグレードアップされているのが窺えた。早速調べてみると、数か月前にYouTubeに投稿された2019年版のダラ・サコーリゾートのプロ―モーション動画が見つかった(上掲)。

*参照:上掲の動画はYouTube 「Dara SaKor Resort (តារាសាគរ) | OFFICIAL VIDEO」より。

 中国人による、中国人のための、中国のリゾート

ダラ・サコーリゾート」は、知る人ぞ知る中国・天清国営企業集団がタイ湾に突き出すカンボジアのボトム・サコー半島(全域が国立公園に属する)の南端域を99年間契約で租借(この年数、清王朝がアヘン戦争敗北後にイギリスに割譲した年数と同じ)し、10年計画で飛行場、人工港が付随する一大開発プロジェクトの内の一つである。プロジェクト全体の租借地の広さ、巨額投資、開発規模は、中国の国営企業集団のプロジェクトの中では、カンボジア最大のものである。同プロジェクトで先ず開発が進められたのダラ・サコーリゾートで2015年末にゴルフ場(カンボジアでは一流クラス)とそれに面するホテル、人工ビーチをオープンした。そのため、プノンペンとシハヌークビルを結ぶ国道4号線(米国支援の舗装道路)から分岐しタイ国境の街コ・コンに向かう48号線(タイ支援で3つの橋梁、舗装道路開発)と同リゾートを結ぶためボトム・サッコー半島を縦貫する道路を開通させている(2015年全面舗装完了)。同リゾートを最初に取材した外国メディアは、本サイトであるdiscover NAVIの前身の旅行情報誌「Discover New Asia」の編集部であった。その後、同リゾートを取材し報じた外国メディアを寡聞にして聞かない。

ゴルフ場に面するホテル。擬ルネサンス風ドームに擬ギリシア風の玄関。ヘリコプターの駐機は要人用であろうか。 2015年12月末・撮影。
ドーム持つ建物方向が正面。左手奥の列柱のある建物は宿泊棟に至る屋根付き連絡路、その幅は優に20mはある。連絡路の向こう側には競泳用のようなプール、プール反対側になる手前は、池と擬ローマ風の建物。どうもこうしたものが、中国富裕層好みなのか? 憧れは、西欧の擬古典様式のようだ。2015年12月末・撮影。

同リゾートのオープン直後の取材だったが、ホテル正面ドームのあるホールには一大開発構想のジオラマが展示されており、バスで乗り付ける中国人客が見られた。ホテル・マネジャーとお会いしたところ、相手は、なぜ日系旅行会社の者が訪ねて来るのか、驚いていた。お話を聞くに、端から地元や諸外国の旅行会社に同リゾートを売り込む気が全くなく、大陸中国人客をターゲットにしているようであった。その時、見られた中国人客は嬉々としてリゾートとしてはセンスのない競泳用ような長方形プール で興じていた姿が、印象的であった。まだ、ホテル内のレストランは朝食のみ提供でしかなかった。中国人客を見るに日本の社員旅行客のツアーのように見えた。先ずは、国営企業従業員の厚生であろうか。同ホテル正面棟は、疑似ルネサンス風の中央部にドームが聳える両翼に伸びる建物、後ろにビジネスホテル風の宿泊棟と二列。正面玄関のあるドームは吹き抜けホール、前後の棟を結ぶ屋根付き連絡路の巨大さ、これが中国式権威主義か呆れるような気持ちになった。また、半島縦貫道から分岐する同リゾートへの道は、リゾート地域入口に遮断機付きの守衛小屋があり、リゾート関係者と宿泊者以外は入れない。まるでかつて上海にあった欧米租借地の悪名高い「犬と中国人は入るな!」のカンボジア版のような姿であった。これも歴史の皮肉か?喜劇か?

他所からは白砂を持ち込んだ同リゾートのプライベートビーチ。 2015年12月末・撮影
プライベートビーチから延びる桟橋には、2つのレストランとカフェが一つ、2015年末のオープン時は、桟橋のレストランはツアー客専用でカフェは開いてなかった。桟橋の突き出る湾全体がどうリゾートの敷地である。2015年12月末・撮影

カンボジア随一のゴルフ場付南海リゾート

2019年版のプロモーション動画は、2018年11月20日付である。この動画、バックには英語の歌が流れ、欧米人客を意識しているか、の工夫が見られるが、事実は「中国による、中国人のためのリゾート」である。制作時期は、在カンボジア米国大使が「カンボジアのコ・コン州に中国の軍事基地建設を認めない。」と強い警告を発した時期と重なる。

同リゾートは、2017年に最初のプロモーション動画がYouTubeにアップされている。それに続くのが上掲のグレードアップされた2019年版のプロモーション動画である。2019年版動画を見るに2017末時のゴルフ場の西側に新たなゴルフ場が設けられ、2つのゴルフ場の間にには宿泊ヴィラが並び、大型のレストランと新たなリゾート感の二列の宿泊棟、南面には洒落たプールが設けられている。新旧ゴルフ場共にラグーン地形(潟湖の散在、マングローブ林)を活かしたもので、手入れの良さとコース設定は一流である。2019年版では人工ビーチとレストラン付き(2棟)桟橋付近には、新たな建物はビーチ沿いの更衣室の建物程度であるが、全体として整備されお洒落感は増している。

奥がゴルフ場は、2015年末にオープン。2019年版動画では、手前のゴルフ場。右手大きな屋根はレストラン。左手にプールに面した宿泊棟が見える。レストラン右手の奥に潟湖に沿ってヴィラ群がある。これらが、2019年版に登場した新たな設備である。

動画では、人工ビーチに面する湾を水上バイクが走り回る姿や桟橋に高級レジャーボートやヨットが映され、これだけを見れば、カンボジアに新たなゴルフ場・プライベートビーチ付き大型高級リゾート出現している。

それでもなぜか、地元でも国外でも不思議と話題にならない同リゾート

これほどの規模と諸施設の南海のリゾートなら、ネットの旅情報で話題になるのだが、不思議とカンボジアでも他国のWebサイトでも同リゾートは旅行情報としてほとんど話題にならない。事実、中国人旅行者以外で、ダラ・サコーリゾートを利用する諸外国のお客さんは、日系のNEW SAI TRAVEL in Phnompenhのみの手配を通じて可能である。

ダラ・サコ―リゾート、ここ1,2年はお勧めの旅

ゴルフや海釣り三昧、白砂のビーチや透明度の高い珊瑚礁の海での各種アクティビティが可能

スダッチ島周辺はジュゴンも見られる藻の海や走る水族館のような透明度の高い珊瑚礁の海が広がる。

2019年版動画でグレードアップしたダラ・サコーリゾート、トロピカルの海とマングローブ林にカワセミも舞うラグーン(潟湖が散在する汽水域)にⅠ流のゴルフ場2つ、プライベートビーチや湾での様々アクティビティが可能です。至近のスダッチ島はカンボジア最大の漁獲水揚げを誇る港があり、ボートを駆ればスダッチ島周囲の島々には無人の砂浜や磯浜が散在し独り占めの感があります。スダッチ島周辺の海は、ジュゴンも出没する藻が藻の海や色彩豊かなサンゴ礁の広がり、あたかも「走る水族館」のような透明度の高い海です。

プノンペンから4時間、ゴルフ付き南海のリゾートへ

プノンペンから車で4時間弱、カンボジアの海辺に屈指のホテル付ゴルフ場。クラブハウスを兼ねるホテルもソフトオープン、2016年2月現在60室が稼働、年内に100室稼働の予定。熱帯樹林の丘陵とビーチに縁取られた広大なゴルフ場、18ホールでナイター設備もある。現在、拡張工事中で、完成時には36ホールとなる。2019年5月時点では、36ホールの計2つゴルフ場利用が可能です。場所は、カンボジア最大の漁獲高と手つかずの珊瑚礁の海で知られるスダッチ島を望むボトム・サッコー半島の南端、中国資本(天清国営企業集団)で開発が行われているダラ・サコ―リゾートDara Sakor Resort)の一角にある。
ここでは、ゴルフ三昧の他、湾を独り占めのプライべート・ビーチや漁船をチャタ―しての海釣り、珊瑚礁めぐりも楽しめます。

2019年版動画に登場した格調高いレストラン。
ツインタイプの部屋

なお、同リゾートですが、近接する飛行場建設について米国が「中国の軍事利用基地ではないか」という懸念を抱いており、ここ数年はリゾート利用が可能と思いますが、国際情勢の転変で予断が許せません。ここ1.2年の同リゾートご利用がチャンスと思われます。同リゾートはその規模や施設に見合う集客にはいたっておらず、ここ1.2年はリーズナブルにプライベート感満喫でご利用可能です

ダラ・サコ―リゾートDara Sakor Resort)及びスダッチ島への旅は下記へ同リゾート利用はNew Sai Travel in Cambodiaのみが取り扱っています

ご注意> ダラ・サコーリゾートのご利用

ダラ・サコーリゾート(Dara Sakor Resort)は中国・国営企業集団の一大リゾート開発であるため、顧客は中国富裕層を対象としており、他へのプロモーションはありません。プノンペンに事務所もありますが、職員の対応は不慣れで中国語がメインです。弊社が中国系以外で接触した初めての旅行社です。同リゾートへの旅案内は中国本土以外では弊社のみが手掛けるもので、弊社を通じての旅行以外での同リゾートのご利用は困難です。弊社にお問い合わせのうえ、事前情報のご確認が必要です。また、旅案内については宿泊・ゴルフ・車等の組み合わせ手配となります。なお、同リゾートを利用しないスダッチ島への旅案内も弊社のみが承っております。

 実は、いわくつきのリゾートなのだ!

―米国は「リゾート」開発は隠れ蓑で、中国の軍事基地化を懸念―

サウスチャイナ・モーニング・ポスト (South China Morning Post、南華早報) 掲載の疑惑の飛行場建設。写真南端(下部)の湾奥の西側半島くびれ部分が既に完成しているダラサッコー・リゾートのゴルフ場、ホテル&ヴィラ群。
画像:google earth. 写真黄色線で囲まれた地域が香港メディア掲載の写真と同じ範囲。

米国は、カンボジア政府に警告し、中国の野心を牽制する

既に数年前から米国は、リゾート開発を隠れ蓑にした中国の軍事基地化ではないか、とカンボジア政府に懸念表明を表面している。さらに2018年10月になると在カンボジア米国大使はカンボジア政府への警告ともとれる強い調子の懸念を表明した。慌てたカンボジア政府、釈明ともとれるフンセン首相の談話ー「カンボジアに外国の軍隊は要らない、駐留させない。」ーを発表した。その当時、香港メディアにダラー・サッコーリゾートのすぐ北に滑走路を建設する衛星写真が掲載されている(衛星写真は軍事衛星の撮影で、出所は米国政府だろう)。Google Mapには、2018年11月現在では反映されていないが、反映されるのは近々のことだろう。この建設中の滑走路、民間航空機使用では以上に長く、米国の指摘では、現中国保有の軍用機の全て種類に応じる長さの滑走路とのことである。また、飛行場に近接した港湾開発も米国は懸念している。

どうやら米国は、中国の進める「一帯一路」構想は、地政学的な軍事網拡大と見ているようだ。確かにカンボジアは東南アジアでは唯一の伝統的な親中国、カンボジア政権の独裁化と共に中国への傾斜は一層強まっている。カンボジアの海岸線に恒久的な中国軍の基地ができることは、タイ湾の一角に中国が確固たる地位占めたことになる。「南沙諸島の二の舞を許さない」という決意が米国を動かし、やがてこれは、タイやベトナム、マレーシアにとっても無視できないものとなるだろう。

今後もダラ・サコーリゾートの変貌を注意深く見守らなければならない。

ボトム・サコー半島南端部とスダッチ島、ダラ・サコーリゾート

*参照:ダラ・サッコーリゾートの取材記事の詳細は下記のmagazineにアクセスし、旅行情報誌「Discover New Asia No.9」の表紙画像をクリックしてご確認ください。

 

参照:ダラ・サッコーリゾートについて詳細及び変貌情報は下記の文①~⑤(最新投稿順)をクリックしてください。

① <何だか危い話題> ダラーサッコー・リゾートがきな臭い ―中国の軍事基地化の懸念、米国は既に警告ー 2019年3月11日投稿。

② 2つのリゾート開発プロジェクトを承認 カンボジア開発評議会 ーが、中国資本の中国人のためのリゾート開発ー 2019年2月28日投稿。

③ D.A.C. Travel 特選の旅 ダラー・サコー 地図 2018年3月28日投稿

④ D.A.C.Travel  特選の旅: ダラー・サッコーの紹介ビデオ 2017年版 2018年2月9日投稿

⑤ D.A.C.Travel  特選の旅: ダラー・サッコー 2018年2月9日

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