10月6日付の地元メディアKhmertimesにさもありなんという記事が掲載された。
プノンペン市北部に位置する「プノンペンサファリパーク」で衝撃的な状況と虐待を目撃、という記事である。記事によれば、同紙記者が目撃したのは、動物は適切に世話させれておらず、動物が飲む水は汚く、苔で覆われており、トラや他の動物は弱って見える。訪問者向けの娯楽・動物ショーでは虐待されている、と次のような目撃談を載せている。
筆者自身、何年も前にカンポット郊外のテックチューの私営動物園で見た檻のなかの虎は痩せこけていた。また、かなり以前だが、シェムリアップ郊外の観光客向けの動物園でも虐待が見られ、当局により廃園にされている。アンコールトムのバイヨン寺院付近での象乗り観光も当局の手で中止されている。
目撃談を読むに
さて目撃談であるが、①「ワニのショーの間、動物は手で扱われ、ハンドラーによって登られ、口を強制的に大きく開けさせる。彼らは尾を引っ張ることによって水から引きずり出されます。ワニは定期的に蹴られ、突かれ、ハンドラーによって殴られ、それら全体に痛みと真菌感染症がある。小さなワニは、訪問者の取り扱いやお土産の写真の「小道具」として使用されていた。彼らは、より安全に扱えるようにするために、口をしっかりとテープで閉じられている。」
② 服を着たオランウータンは、ボクシング、自転車に乗る、フラフープなどの人間の活動を行うように訓練されている。1人のオランウータンが表彰台に立ってズボンを下ろしました。また、来場者との写真撮影も有料で行う。首に金属の首輪を付け、ロープのリードに付けたアカゲザルは、子供のドレスを着ており、訪問者との写真撮影の機会に使用されている。
*掲載画像を参照
③ 象のショーの間、象に乗ったトレーナーによって彼らの耳の後ろで蹴られる。<略>数頭の象が訪問者に乗り物を与えるために使用されます。彼らは背中に結ばれた大きな金属製の「ハウダー」シートを乗せているので、2人の客とハンドラーを運ぶ。象はコンクリートの床の場所に保管され、短いロープで金属の手すりにつながれ、爪にひびが入っている。
④ 虎が燃える火の輪を飛び越え、表彰台でバランスを取り、命令に応じて後ろ足で立ち上がるように動物が訓練されたショーもある。
この状況を衝撃的、虐待としたクメールタイムズ はプノンペンサファリ当局に連絡したが、コメントは得られませんでした。」とある。
よく読めば、動物芸を披露する商業施設によく見られること
一概に「虐待」とは、意見の分かれるところ
よく読めば、各国の動物のショーを伴うこれらの商業施設ではよく見られることである。タイなどでも行われており、日本でも日光サル軍団のショー、猿回しの伝統芸、かつて各種サーカス団で行われていた動物ショーの類であり、カンボジア、ラオス、タイ、ミャンマーでは象は労働用に使役されている。ベトナムの例は少ないが、それはベトナム戦争時、米軍が空から爆撃で組織的に殺戮したからである。確かに動物にとって芸を仕込まれるのは、虐待である。犬や猫だって商業観光用に、ひいては飼い主を喜ばすために芸を仕込むのも見方によれば、ペットを飼う事自体が虐待と受け取られかねない。
読み手の受け取り方にもよるが、記事自体、ひとつの見方に過ぎない。見出しの付け方も一方的である。それと劣悪な環境への告発は別問題という見方もできる記事である。
*掲載写真:khmertimesの動機に掲載された写真より