カンボジア水産局と世界自然保護基金(WWF)は10月23日、推定89頭のイラワジイルカがカンボジアの川に生息していると発表しました。また、過去4年間、個体数は安定しているとも付け加えている。
調査は、水産局で発表された2020年報告書「マークリサイトモデルに基づく2020年のメコンイラワジイルカの個体数」からのもので世界自然保護基金(WWF)のSengTeak氏は、「メコン川のイルカは
カンボジアの天然資源遺産の重要な部分であり、エコツーリズムに関与するコミュニティにとって重要な収入源である」と述べ、東南アジアでのイラワジイルカの研究は、インドネシア、ミャンマー、カンボジア、およびラオス等で行われており、「イルカがいる場所は、その地域の川の生態系と健康が優れており、あらゆる種類の魚が豊富で、他の多くの川の動物にとって良い生息地であることを示している。」とも語った。
さらに、カンボジアのメコンイルカ保護プロジェクトの役員であるPhaiSomanyは、「専門家はメコンイラワジイルカの個体数は安定している」という説明も付け加えた。
なお2017年、国際自然保護連合は、人間の活動を衰退の主な理由として挙げ、イラワジイルカの地位を「脆弱」から「絶滅危惧種」に変更した。
*カンボジアのイラワジイルカ:生息地はメコン川中流のクラチェ市近郊カンピ村が知られている。更なる上流のラオス国境付近では同イルカの生息が伝えられるが、ここ10年激減している。
*参照:下記の文①、②をクリックしてみてください。
① Discover Asia in Cabodia. No.3「自然派宣言 クラチェ編」で、カンボジアのイラワジイルカ生息地を扱ってます。
*上記雑誌の特集は2007年の取材に基づいていますが、その後もクラチェは本誌の取材で何度も訪れており、2020年現在、同イルカ生息地のメコン川沿いのカンピ村付近は、交通の便は良くなったものの大きな変化はない。河岸からイルカ観察の観光船が出ているが、誰もが身近にイルカの遊弋が見られる。2007年当時は、同イルカは100頭以上生息していた。