旅案内 若者は、Wildを求めてもっと奥へ ー2018. ロン島の今ー

                           

2018年03月27日

 高速船の就航で距離感が縮まったロン島

2011年、ロン島への渡航は、漁船利用の木造定期船で2時間かかった。2014年には双胴高速船で1時間弱の距離になった。定期船桟橋のあるコ・トゥーチ・ビーチは早くも汚れが目立ち、透明度も落ちた。2012年当時、桟橋下には魚群が黒々と龍の如くのたうち、桟橋横の浅瀬はダイビング初心者の練習場であった。当時、1本であった桟橋は、今や3本になり、そのうち2本に高速船が発着する。

エメラルドの海、熱帯樹林輝く美しきロン島。が、桟橋付近は汚れも目立ってきた。

 島への渡航は増えているが

朝9時、混み合うセレンデピィ・ビーチの桟橋

朝9時前、シハヌークビルのセレンデピィ・ビーチの桟橋には4隻の高速船が左右に横付けされ、人だかりで満ちている。桟橋手前に左右1軒ずつ、待合所を兼ねた新設カフェができている。ここで、渡船チケットを確認し案内を待つ。受付は欧米人、ロン島やロン・サムレン島の観光開発が、依然先駆者である彼ら欧米系の手にあることがわかる。ここ5年、ロン島やロン・サムレン島でもシハヌークビルの街や付近のビーチで起こったことが、繰り返されている。
初めに欧米系が開き、やがて定着する者が宿や店を設け、交通機関を自前で整備すると地元の宿や店が続く。すると欧米系中心と地元行楽者の棲み分けが生まれる。それが10年前ほどのセレンデピティ・ビーチとオーチティル・ビーチであった。やがてセレンデピティ・ビーチの盛況に合わせて中型ホテルが周囲に立地すると欧米系は街から離れたオートレス・ビーチに移る。既に2014年には、セレンデピティ・ビーチにはカンボジア人行楽客が進出し、欧米系は初老の在住者の散策姿となった。若い欧米系旅行者の向かうところは、オートレスか沖合の島々になる。2018年、セレンデピティ・ビーチに泳ぐ人の姿はごく稀となった。
ロン島もまた、コ・トゥーチの民家はどこもゲストハウスか店舗となって欧米系の施設の後追う。2015年頃からカンボジア人渡航者が劇的に増えた。そのため桟橋付近のビーチのゴミ捨て、飲料水の不足が問題となっている。初めは欧米系がWildなビーチを求めて渡り、やがて近隣のアジア系旅行者、評判聞いてカンボジア人の行楽地になり、今や大挙して中国系グループが島に渡るのも時間の問題となっている。

 カンボジア人の人気の行楽地へ

カンボジア人行楽客の
子どもたちは、海遊び
に万全の装備。

2018年1月、ロン島への渡航者の半分近くがカンボジア人、高速船が走り出すや興奮して立ち上がる者が多い。が、やがて15分もすれば、ぐったり。いずれも旅慣れていない。島に着いても遠くには行かず、桟橋付近のビーチの木陰で車座の飲食が始まる。泳ぐ者は少なく、よくて水浴程度、後はポーズを取った写真撮りに夢中となる。

 ディープな欧米系若者が減った

桟橋付近に欧米系を見るが、一時の「沸騰」はない。

桟橋付近を散策する欧米系観光客を見るが、かつて“沸騰”と称された熱気はない。客層も家族連れの中高年が主流となり、落ち着ていた雰囲気。若者は、アジア系が中心である。かつて夜な夜な大音響を流していたモンキーハウスも若年層の客はまばら、夜ごとパーティーで盛り上がったポリスビーチは埋め立てられた。警官が20名余も常駐となって、ディープな連中は居づらくなり、パーティー会場もすでにロン・サムレム島の奥へと移動している。

 Wildなビーチなら、もっと奥へ

少し奥へ向かえば、まさに南国の海辺がひろがる

桟橋付近から消えた欧米系は何処へ。2018年、桟橋付近で目立つのが「渡船タクシー」である。14年当時は特別手配だったが、桟橋付近で簡単に乗れる。掲載地図は18年最新版、ロン島の東海岸、最も近い所でロングセット・ビーチから北へ、各所のビーチに次々とロッジやバンガローがオープンしている。タイ湾側の西海岸には高級リゾート:ロイヤルサンズが1月にソフト・オープンした。専用ボートで富裕層が各種のアクティビティーを楽しむ。さらに全くの手付かずであった最奥の湾にも自然保護区が隣接するバンガロー群もできている。
ロン島の広さは香港島に匹敵する。カンボジア人行楽客に押し出されるように欧米系は島に散在するWildなビーチに向うか、隣のロン・サムレンに移ったようだ。ロン・サムレム島もまた、よりWildを求める客層を意識して、タイ湾側にダがイブセンターやはっぱリゾートが進出した。今後の注目エリアは汚れ始めたサラセンベイではなく反対側になるであろう。

*シハヌークビルの沖合・ロン島は人気のリゾート地であるが、年々の変化が大きい島である。上記の内容は、2018年1月の最新情報です。(New Asia No.16に掲載したものより)

 

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