観光客4000万人突破の見通し、観光の高級路線化、自然環境破壊が問題に

タイ

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2018年12月24日

タイ アジアで断トツの観光収入 世界第4位

今年、発表された国連世界観光機関(UNWTO)の最新データによれば、タイは他のアジア諸国を観光収入で上回っている。2017年でも、タイを訪れた観光客による国際観光収入は570億ドルに上った。これはマカオ(360億ドル)や日本(340億ドル)、香港(330億ドル)、中国本土(330億ドル)の2倍近くに相当する。世界的に見てもタイを上回ったのはフランス(610億ドル)、スペイン(680億ドル)、そして世界最多の米国(2110億ドル)のみだった。

初めてのタイ、先ずは訪れるワット・プラケオ。インスタ映え流行りだが、時に迷惑行為になる

来年は観光客4000万人突破を予想

タイの観光収入が多い理由は、訪れる観光客の数にある。2019年に訪タイ観光客は4000万人を突破する見通し、これは何とタイの人口の半数を超える数である。日本なぞ、1000万人へなどと、騒いでいるのだが、格が違う。まさにタイは別格。

オーダーメードの旅行を扱うアジア・トランスパシフィック・ジャーニーズ(ATJ)のレベッカ・マッツァロ氏は「タイには全ての人の期待に応える何かがある。ヴィラでくつろげるプライベートアイランドから、わずか数ドルで買えるおいしい屋台フードまで、他ではめずらしい多様性がありバラエティーに富んでいる。多くの人々がタイに行き、お金を使うのは驚くことではない」と分析している。

さらにチャオプラヤ川沿いに来春開業する五つ星ホテル「カペラ・バンコク」のゼネラルマネジャー、ジョン・ブランコ氏は「これまでもバンコクやタイ全体は高級感のある旅行先だと考えられていたが、その傾向がはっきりと表れてきている」と話す。

宿泊・飲食施設が洗練される-高級路線へ-

バンコクの市場。アジアの雑踏から高級化へ洗練されて来た。 画像:Webサイトより
ここ数年の新名所:ナイトマーケット「ラチャダー鉄道市場」。バンコクの市場。アジアの雑踏から高級化へ洗練されて来た。 画像:タイ政府観光庁公式Webサイトより

米クレジットカード大手のマスターカードが発表した「2018年度世界渡航先ランキング」でバンコクは渡航者数1位となり、3年連続で首位を記録した。同調査はカードの取引データではなく、公的な資料を基にしているという。旅行者の1日当たりの平均消費額はバンコクで173ドル。ドバイの537ドルやシンガポールの286ドルには及ばないものの、今年は14%の成長が予測されている。

来年にはバンコクで観光客の消費を促すような施設が増える見通しだ。フォーシーズンズやローズウッド、マンダリンオリエンタル、ウォルドーフ・アストリアといった高級リゾートが加わる。また、大型複合施設「アイコンサイアム」も開業。同施設には一流シェフ、アラン・デュカス氏のレストランや高島屋などが軒を連ねる。カペラ・バンコクには仏マントンのレストラン「ミラズール」でミシュラン二つ星を獲得したマウロ・コラグレコ氏のレストランが入る。ブランコ氏は、バンコクでは「高級路線の施設が増えている」と語る。

自然環境が問題化

ピピレイ島のビーチ 2018年無期限立ち入り禁止となった。 画像:Webサイトより

一方、タイ人気には代償もあるようだ。特にビーチや離島ではそれが顕著だ。レオナルド・ディカプリオ氏主演の映画「ザ・ビーチ」の美しい舞台となったマヤ湾には、ヨットで観光客が押し寄せ、手つかずの海洋生態系が深刻なダメージを受けた。同湾は保護のため4カ月間閉鎖されたが、回復にはさらに時間がかかることが判明し、閉鎖期間は無期限に延長された。近隣のカイ島やタチャイ島もサンゴ礁が危機的状況にあることから同様の措置を取っている。

タイ 増える中国人観光客
画像:Webサイトより

一方、バンコクでは観光客に起因する問題はそこまで深刻ではないが、バンコクの王室寺院:ワット・プラケオなど、ガイドが中国人観光客に忖度するためか、声高の中国語をがなりたて他国の観光客にとっていい迷惑で、マスツーリズムの弊害が出てきている。

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