運輸省は、乗客数の減少により、市内とプノンペン国際空港間のシャトル列車の運行を一時的に停止することを検討している、地元メディアが伝えた。
サンチャントール運輸大臣は火曜日の内務省での交通安全に関する会議の間に「乗客の不足のために空港シャトル・サービスがしばらく停止する。」と述べた。
「プノンペンロイヤル駅から空港への列車の運行を停止することを検討します。乗客はもういないためです」と彼は言った。「多くの国際便が一時的に運休されたため、観光客や人々はもはやシャトル列車のサービスを利用していません。」との理由である。
空港線、コロナ禍以前から、赤字垂れ流し状態が続いていた

が、事実はコロナ禍に襲われる1月の初旬ですら、プノンペン空港駅は、女性の係員が一人いるだけで、手持ちぶたさであった。時刻表もバッタンバン行きやプノンペン行きのプノンペン発行きが書かれているだけで、発着時刻すら書かれていない。訊くに1時間に一本運行とのこと。列車が着いていない時刻は、ホームに人影なしである。また、その列車の速さたるやよくて20~30㌔/時間である。空港シャトル列車といっても通常は1両編成のみで端から人気がない。

外国人客は迎えがなければ、高めの空港タクシー利用
一方、空港から市内中心部への道路は常に渋滞しており、諸外国の空港タクシーよりその距離にたいしての公定価格は高め(一律15ドル)に設定されている。それでもいつくるかわからない電車を当てにする外国人客は所謂「鉄キチ」以外ではほぼ皆無である。
信号機のない踏切―事故の心配ー、運輸省・啓発動画の制作に
また、同運輸大臣は、線路跨ぐ道を利用するカンボジア人が線路を横断することによってもたらされる危険に気づくことを学んでいないことにも言及している。そこで同省は、この問題について国民を教育するための予告編を準備していると付け加えた。
Chantol氏は、このサービスを一時的に停止する計画は、鉄道を運営しているRoyal Group Companyと話し合ったと述べた。同省はまた、安全性についての意識を高めるためにビデオクリップを制作する予定とのことである。
国庫負担に頼る国鉄、首都公共バスの赤字路線
2019年4月10日、プノンペン国際空港とプノンペンの中央駅を結ぶシャトル列車が一般公開され、1年3か月で運休となるようだ。事実は、カンボジア国鉄(Royal Group Company、オーストラリアの会社経営委託)の慢性的な赤字垂れ流し(これは、市内公共路線バスにも言える)が続いていることが背景にあるのであろう。
ちなみに、昨年4月に開通したカンボジア・タイの国境通過列車は、式典のみが行われただけで一度も運行が行われないうちにコロナ禍で国境閉鎖となっている。
*掲載写真:空港前の道を渡る1両編成のシャトル鉄道ディーゼル車。画像:クメールタイムズより。他は2020年1月11日撮影。