2つのリゾート開発プロジェクトを承認 カンボジア開発評議会 ーが、中国資本の中国人のためのリゾート開発ー

                           

2019年02月28日

久方の観光情報!?と思ったら、

実は中国資本の中国人のためのリゾート開発だった

地元メディアに掲載された「2つのリゾート開発プロジェクトを承認 カンボジア開発評議会」(日本語版記事より)と言う記事だが、その内容は「カンボジア開発評議会(CDC)によると、今回承認された2つの中国企業は、南京大地建設集団(Nanjing Dadi Construction Group)と天津連合開発集団(Tianjin Union Development Group)。南京大地建設集団は、プレアシハヌーク州プレイノブ地区に約8840万ドルを投じて、5つ星リゾートホテルと商業センターを開発する。また、天津連合開発集団は、コ・コン州気サコー地区における「TEMI」*として知られる観光都市を約5億米ドルを投じ開発する。このプロジェクトは、同社による10億ドル規模、3万6000ヘクタールの敷地におけるリゾート開発プロジェクト(Dara Sakor Seashore Resort)の一部だ。」と、ある。

*TEMIの意味:不明

天津連合開発集団といえば、「ダラー・サッコーリゾート」の開発主

「やがては、中国・海南島のリゾートと競い合うレベルに」と、豪語!

天津連合開発集団が手掛けてたダラ・サコーリゾート。広大なゴルフ場に面するホテル。ヘリコプターは要人用か。2015年の取材時、リゾート内ヴィラ群の先のレストランへの道は、厳しき警備され入域できなかった。2015年12月現在、ゴルフ場、プライべートビーチ、ホテルのみのオープン。ホテル・マネジャーは日本人の取材に驚いていた。端から中国人向けリゾートである。
ホテルの玄関ホールにはダラ・サッコーリゾートの全体完成ジオラマが展示されていた。ジオラムを観るに2015年12月までに完成したのは全体の数%で、いかに広大な地域が中国企業集団に租借されているかに驚く。ジオラマ右に中国本土と結ぶことを前提に飛行場建設が予定されている。またジオラマ下部の二つ岬に挟まれた湾奥がプライベートビーチ、ビーチの白砂は他所から持ち込んでいる。湾奥左の海岸近くの沼付近が201512月現在の開業されたゴルフ場、ホテル部分。ジオラマに見る開発全体構想がいかに広大な区域であるか、に驚く。

既に数年前の報道で、カンボジアの海岸線の3分の1は中国に租借されている。それも99年間。要は中国の地方政府と密着した国営企業:南京大地建設集団、天津連合開発集団による2つの一大リゾート開発ということで、既に後者の天津連合開発集団は、先端にシハヌークビル市があるコンポンソム半島と湾を挟んだボトムサッコー半島の先端部にダラ・サッコーリゾートを開発し、2016年には、ゴルフ場付ホテル、プライベートビーチを開業している。このリゾート造成のため、コ・コンの街に向かう国道48号線から全域が国立公園に指定されているボトム・サッコー半島を縦貫する舗装道路を造成し2015年末に開通している。この道路、まさにダラー・サッコーリゾートのためで、半島先端部で分かれスダッチ島の渡船場へ至る道は車が大揺れの悪路のままに放置。リゾート入口は警備員付の遮断機があり、かつて上海(1930年代)に在った欧米や日本の租界地の看板「犬と中国人は入るべからず」を地で行くようなリゾート開発地である。今度は、中国が租界の主で、入るべからずは一般のカンボジア人になるという歴史のアイロニー(皮肉)の姿である。

2016年当初、既に開業していた広大なゴルフ場に接しているリゾートホテルの玄関ホールには一大リゾート開発構想の完成ジオラマが展示されており、開発地域内には飛行場やヨット・ハーバーなどが設けられることなっている。ホテル・マネジャーに聞くに「やがては中国・海南島のリゾートと競い合うことになるだろう。」と述べていた。

一大マングローブ林が広がる海岸低地プレイノブが狙われた

もう一つ南京大地建設集団のプレアシハヌーク州プレイノブの開発。このプレイノブ地区はプノンペンとシハヌークビル市を結ぶ国道4号線がプノンペンからカンポット経由でシハヌークビル市ぬ向かう3号線と出会う場所一帯の地名で、プノンボコール山麓の3号線から国道4号線へプレイノブの沿線は一大マングローブ林が広がる海岸低地である。ここは、希少生物の生物の生息する場所として知られ早くから野生保護区の指定が望まれた地域である。地域内にはわずかに海外線のチャム族の集落がいくつか散在する程度で後は人の手の入っていない汽水の森である。ダラー・サッコリゾートの開発のための国立公園を縦貫する道路造りは容赦ない荒っぽいもので道路脇は赤土が剝きだし、途中にある集落の民は、道路沿いのバンガローのような家(昭和30年代の多摩・秩父にあったバンガロー・レベル)に移住を迫られた。プレイノブ地区のわずかな家屋の集落の散在である故に、地域の民の抵抗も弱かろう。カンボジアでは、外国資本や政商の企業、公権力、さては富裕者による民の土地の強制収用は日常的で、各地で民の抵抗が起きている。いずれにせよ、今回の政府・同開発協議会のリゾート開発承認は既定の路線である。

日本語旅情報誌 Discover New Asia 掲載のコーストライン地図を改編。中国資本の2つのリゾート地区を新たに記載。
ダラ・サッコーリゾート開発。2515年末の取材を基に2016年当初に作成。上掲載の地図と比べてみて下さい。位置と開発の実態が解ります。日本語旅情報誌「Discover New Asia No.9」の掲載地図より。

同評議会の承認は、批判を逸らすための小出しの事後承認?

ダラ・サコー開発についていえば、既に99年間の租借地域に10年計画の開発ジオラマ完成図の設置に見るように開発主・天津連合開発集団にとっては同開発協議会の承認は既定の事後承認に過ぎない様だ。穿って見れば、中国に傾斜を強める現政権が、国民の反発を逸らすための小出しの承認に過ぎないように思える。

*参照:下記の①の文をクリックしてください。

① Discover New Asia No.6 の特集でダラ・サッコーリゾートを紹介しています。

② D.A.C. Travel 特選の旅 ダラー・サコー 地図

*2016年3月号のため同リゾートの現地取材は、日本メディアでは初めてであった(2015年12月末)。その後現在に到るまで日本語のメディアの取材は行われていない。

 

 

 

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