<これからの旅>「安・近・短」が主流と予想 -ベトナム観光産業ー

                           

2020年05月05日

「世界は、元の世界には戻らない」

フック首相がコロナ対策の徹底を条件に一部の業種の営業再開を認める方針を打ち出したことに呼応して観光業界も営業再開の準備を進めているが、「世界は、元の世界には戻らない」(WHOの声明)には戻らないだろう。

日本は、そのコロナ対策が遅れと徹底性を欠いたまま、経済活動に重点を置こうとしているが、5月末で緊急宣言の解除が行われると、思っている人は少ない。

日本の「新しい生活」とは、「以前の生活は、戻らない」という意味

日本のPCR検査の極端の少なさは、「資源の無駄遣い」と屁理屈を言っていたが、政府の専門家会議は、「準備不測の遅れのための時間稼ぎであ」と認めざるを得なかった(4日報道)。今更の検査体制の拡大・充実は遅きに帰した。隠れ感染者によるコロナ禍の蔓延を防ごうとするなら、PCR検査と抗体検査の徹底しかないが、その体制の構築がこれからなら、経済活動の再開はずっと遅れる。再開しても、多くの国民の意識が変わってしまい、経済が元に戻るのは大幅に長く停滞することは避けられない。

「新しい生活」とは、「以前の生活に戻らない」という意味であろう。各国の観光業が外国人の懐を当てにしたインバウンドというバブルははじけて、見せかけ経済活況であればあるほど、その後遺症に苦しむことになる。6月には企業倒産は増え、年齢に関係なく将来を絶望した自殺者が増えることは、間違いない。例え、新型コロナのワクチンが開発されても、富裕層へ背伸びした客層の大型クルーズ船がもはや「憧れの旅」になるとは、思えない。

「近・短・安」の旅は、個人旅行が中心―マス・ツーリズムの終わりの始まり―

既にベトナムでは、観光業界にも新しい波が起こっている。アウトボックス・コンサルティング(Outbox Consulting)社は、各観光会社にまず国内観光市場を優先するよう勧めている、という。観光客は、いまだ新型コロナ感染症への懸念がある上に感染症の影響で収入が減少しており、近場短期低価格の観光商品に関心が向くと分析している。さらに、一部の観光会社は、グループや団体向けのツアーなどに代えて個人向け観光商品に重心を移す必要がある、というの見方を示している。当然といえば、当然の話である。ツアー客を大量に迎えなければ、やっていけない大型ホテル、リゾートのマス観光は衰退する一方であるという見方である。何ということは、昔の町内会や職場旅行が、家族の旅に取って代わられるだけである。が、今までのようなマスでボロ儲けはできない、ということである。世界はいっそう静かで落ち着いた生活に価値を見出すであろう。

歴史は、遅れて来るものを見捨てる

ベトナムでは、例年なら夏の観光旅行は家族連れで長期が主流だが、今年は学校の夏休みがなくなる可能性があり、短期の旅行がメインになるとも予想されている。つまり<旅の仕方が、変わる>ということである。

なお、ホーチミン市人民委員会(市役所)はこのほど、観光業界向けの感染防止安全評価基準を発表した。基準は10項目(1項目10点)あり100点満点で評価する。80点以上でなければ営業が認められないとしている。ワクチン開発が急がれているが、急げば急ぐほど、副作用が問題になる。それらが、実際に現れてくるのは、どうしても来年の後半になる。そのころまでに旅の姿は変わっている。

人々の意識やライフスタイルも変わっている、ベトナムに限らず、世界的に観光業界も変革が求められ、<歴史は、遅れて来るものを見捨てる>。

*掲載画像:Webの旅行サイトより。

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