
11月6―10日、タイ東北部・ナコーンラーチャシーマー県(コラート地方)ピマーイ郡のアンコール王朝時代(9-13世紀)の代表的なクメール遺跡のあるピマーイ史跡公園でライト&サウンドショー(光と音の祭典)及びこの時期の祭りで知られる水祭り(競艇:ボートレースがメイン)のピーマイフェスティバルが行われます。


お隣のカンボジアでは、国内最大の祭り・水祭りが10-12日に行われ、これも競艇がメインの行事です。この競艇は、ベトナム南部のメコンデルタ地帯に住むクメール系住民(カンプチア・クロム)によっても行われます。タイの東北部のカンボジア国境に接する地方は、クメール系住民も多く住み、元々はクメール系住民の水祭りに観光ショーとしてライト&サウンドショーが付け加わったのでしょう。
アンコール王朝最盛期のピーマイ遺跡

コラート市内から北東へ約60キロメートル、タイ最大のクメール遺跡が残るピマーイ歴史公園。もともとピマーイは北東部に流れるムーン川により先史時代から発展した町でしたが、11〜12世紀ごろタイ東北部一帯に勢力を拡大したアンコール(クメール)王朝(13世紀のアンコール王朝最盛期には、タイの主要部はアンコール王朝支配下)により、石造寺院が建設されました。ピーマイ遺跡は、カンボジア西北部のバンテアイ・チュマール遺跡を経由してアンコール地域(シェムリアップ郊外)と王道で結ばれ、ピーマイから西に向かう王道はスコータイ地方に至っている。タイ族の最初王朝であるスコータイ王朝はアンコール王朝の衰退期にスコータイ地方に興った。

ピーマイ遺跡(ヒンドゥ寺院遺跡)は、堀に囲まれた矩形の565メートル×1,030メートルという大規模な敷地、正面が南のアンコールの王都に向いていたことなどから、アンコール王朝の北の拠点の一つと考えられている。同遺跡では、アンコール王朝最大領域を支配したジャヤーヴァルマン7世像や各種のクメール彫刻などが発掘されており、それらは、ピマーイ市国立博物館で見ることができる。


また、コラート市内にはピマーイ遺跡と同時代のパノムルン遺跡などもあり、アンコール王朝最盛期の文化に触れられる。特にパノムルン遺跡は、階段状ピラミッド寺院遺跡で保存状態もよい。
タイの各地に残るクメール遺跡は、国際支援そ保全活動が行われたアンコール地域以外のカンボジア・クメール遺跡と比べ保全状態よく、多くは遺跡を中心に歴史公園として整備されている。
―タイ政府観光庁公式Webサイトの「ピーマイ」の項を訂正・加筆―

最上掲の画像:ピーマイ遺跡のライト&サウンドショー、画像を見るにクメール風舞踊も行われている。カンボジアでアンコール王朝伝統と謳われているのクメール舞踊:アプサラだが、カンボジア独立後の王室による創作舞踊である。なお、タイの伝統舞踊は、アンコール王朝滅亡(14世紀)時、タイのアユタヤ王朝に拉致されたアンコール王朝の舞踊団の踊りを起源としている。 画像:Webニュースサイトより。

◇祭り情報:ピーマイ遺跡(クメール遺跡)のライト&サウンドショーは、期間中は毎日19時から。競艇:ボート・レースは9-10日の朝8時から夕5時までとなっています。
詳細・問い合わせ:タイ政府観光庁 Tourism Authority of Thailand
電話:コールセンター 1672 毎日午前8時―夜10時
*参照:下記の①文をクリックしてください。