<駐在員レポート>コロナ感染状況の推移とワクチン接種、タイ増加、ベトナムの猛追

                           

2021年09月04日

いち早く中国製ワクチンの無償供与に頼る

カンボジアは、中国からのワクチン無償供与によって2月からワクチン接種キャンペーンが始まったが、最初は微々たるものだった。首相自ら先ずもって接種したのだが、それは中国製ではなく英国のアストロゼネカだった。理由は「60歳以上は中国製は勧められない」という中国の助言というが、そうしたことを寡聞にして他国で聞いたことがない。

4月以降には中国からのワクチン無償供与が増えてくる。東南アジア随一の親中国として名をはせる国:カンボジアを中国が見捨てる訳にはいかない。実は中国、カンボジアの新型コロナ感染については大きな負い目を持っている。

第3波<220日市中感染事件>の感染源は隔離脱走中国人男女4人

そもそもカンボジアのコロナ禍第3波は<220日市中感染事件>と名付けられ、それ以来一日として国内感染による一日当たりの新規感染者が数百人という規模の確認され、途絶えたことはない。この数、日本との人口比では×8の数値になり小国にしては数はかなり多い

発生源についてはWHOや米国の調査を待つまでもなく当初から明瞭であった。28日夜、警備員に数ドルのお金を掴ませ中国人男女4人の隔離ホテル脱走から第3波コロナ禍が始まった。証拠も動画として明瞭に残っている。

2月20日市中感染事件 3日間で感染者と感染スポット急増 感染累計78人、スポット19か所に

*中国人脱走事件は上掲の記事に証拠の動画も残っている。

この脱走事件が発覚したのが220日であるが、既にその時点では中国人コミュニティーと中国人の夜遊びを通じて市中感染となって拡がっていた(上記参照)。この事件の異様さ4月半ばまで毎日の新規感染者数の8割を中国人が占め、外国人では中国人の夜遊び関連のベトナム人が続いた。場所も中国人の多く住むプノンペン都のコンドミニアムと中国人相手の夜の遊び場、次にここ5年に中国人の街と化した唯一の外港のあるシハヌークビル、さらにベトナム国境近くにあるカジノ地帯に集中していた。

カジノと言えば、「賭博、女、薬物」である。それでコロナ感染者と共に薬物関連事件の摘発も増えるばかりなく、さらに遠く中国南部からベトナムを北から南へ縦断してカンボジアに密入国する中国人出稼ぎ労働者と密入国ブロカーの摘発が連日のように続く。国境密入国は全てを防げるものではない。

世界第2位の経済大国、一糸乱れぬ若者が行進する中国も一皮剥けばこれである。そしてカンボジアでは、中国人による政府の感染規制違反事件(夜間外出制限、州間移動の禁止)が繰り返えされ、摘発ニュースが相次いで報道される。外国人摘発といえば、中国人たちである。内心、一番困っていたのは出先の中国大使館であろう。

中国、荒唐無稽なプロパガンダ記事を流す―環境時報―

反中国感情の高まりを怖れてか、中共機関紙:人民日報の海外版と言われる<環境時報>には「ドバイからプライベートジェットでカンボジアを訪れた正体不明の中国人が隔離ホテルを脱走して感染を広めたのは欧米の反中国勢力の可能性がある」といった荒唐無稽なプロパガンダを流したが、カンボジアでは政府から庶民まで誰も本気に相手にしなかった。

さらには「無償供与の中国製ワクチンがカンボジア病院関係者から闇売買されている」という在カンボジア中国人の現地報道が出る。カンボジアならさもありなん、という報道であったが、このカンボジアでの中国語報道にカンボジア政府は激怒その編集者を国外追放処分にした。カンボジアの中国への仕返しのような事件である。まるでカンボジアと中国が机の上でニコニコ友好を演じながら机の下では蹴りあっている風刺画のようであった。

4月半ば過ぎ、中国人コミュニティー感染が地域社会へ、各地でクラスター感染

4月半ばからコロナ禍第3波は、様相を一変する。中国人コミュニティーから地域社会に感染が拡がり、地元民感染者が急増し、カンボジア人の数が中国人を上回るようになった。4月15日には、プノンペン都はロックダウン、その後都内はレッド、オレンジ、イエローゾーンに色分けされ、昼間の移動も制限される事態が5週間続いた。

一方、隣国タイでは6月からコロナ禍が猛威を振るい、6月末から一日当たりの感染者数が5000人を超えた。その後、7-8月のタイはコロナ禍で最悪の時期を迎えーインド変異種デルタ株が従来株に置き換わった。バンコクを初めロックダウンが相次ぎ、ここ1週間でようやく感染者数の山がピークを越えた。

また、ベトナムでは5月に英国・インド変異種のハイブリット株が確認され、7月23日にはホーチミン市に続き、首都ハノイ、ダナンという主要都市がロックダウン、8月にはベトナム全土の都市の1/3がロックダウンするという厳しい規制に置かれた

こうしたタイやベトナムに蔓延するデルタ株症例やハイブリット症例の蔓延は現在なお両国を苦しめている。タイ、ベトナムの間に挟まれるカンボジアも大変だが、かろうじて小国が幸いしコロナ対策が破錠寸前まで至りながらどうにか持っている。

8月に入るや、タイのロックダウンの拡大で職を失った数万のカンボジア人が帰国しようと国境に押しかけ、その多くにデルタ株症例を含む感染者いる。正規に帰国する者以外に穴だらけの国境を越えて帰国するのだから、デルタ株症例の国内感染が発生する。カンボジアの国内感染増対策の焦点はタイ国境に接する各州に移り、政府はお棺の発注を急遽増やした。

7月30日、カンボジア全国に夜間外出禁止令発令、タイ国境沿いの州では州間移動を原則禁止。物流を維持しながら人流を止める対策である。

8月5日にはカンボジア政府・保健省は、「デルタ株はプノンペンの市中にあり」と警告。同日に全国でデルタ株症例109を確認と発表。

8月20日、全国一律夜間外出禁止令を解除、その前日、プノンペン都知事は外出禁止令を維持すると述べていたが、20日にフンセン首相の解除を聞くや慌てて解除。その後、デルタ株諸例の確認された場所周辺は封鎖を繰り返すと言明。

下記は9月2日現在、カンボジア保健省の公式発表をまとめたものである。

下記の新規感染者の確認数は保健省の公式発表を基本にしていますが、各州の新規感染者の確認数合計とその数が大きく乖離(かいり)しており、数値に信頼性を置けるものではありませんことをご承知おきください。(8月26日報道、保健省は公式発表が実数ではないと認める)報道の記事を読んでもそのように主張する根拠が見いだせない。

☆ 9月2日(9月1日の確定数)午後2:00現在

<2月20日市中感染事件>関連での新規感染者326人(内デルタ株市中感染人?人)

◇ 入国検疫165人(大多数がタイからの帰国者 デルタ株?人)

総計:491

<同事件>関連での累計78,908人、カンボジアでの累計総数94,417人(輸入症例15,509人、2月20日市中感染以外の国内感染者累計65人)死者1,937人(前日比+人)

上記の累計、実数は100~200人の誤差あり。

9月2日の報道(9月1日の確定数)

・バンテアイミアンチャイ州:新規感染者102人を確認。

・ウドンミアンチェイ州:新規感染者102を確認。

・コンポンチャム州:新規感染者380を確認。

上記のたった3州だけで新規感染者合計587人に達し、保健省公式発表の数値を優に超える。上記の保健省の公式発表との大幅乖離は明らかで、これが公式発表の5月5日以来の現実である。」

というように公式発表の数値自体が信用できない。1日100人単位で違っていれば、1か月で約3万人、死者数も本当のところは不明である。それだから、NHKニュース・サイトの「特設 新型コロナ感ウイルス」*でのデーター、「世界の感染者数」のカンボジアについては全く当てにならない。と言うより、世界の多くの国の統計能力から言って当てにならない国が多数あるのである。これは、政治的な動機というより統計処理能力によるのであろう。

https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/

ワクチン接種の状況

タイでは6月からインド変異種デルタ型が猛威を振るうにつれ、医療関連者の感染が大きな問題となった。「優先的にワクチン接種していたではないか」と、ここに来て中国製ワクチンの不信感が政府を含めて拡がった。また、中国製ワクチンを求めなかったベトナムにWHO(COVAX)や日本、米国が7月には手を差し伸べた。タイもまたそれに続いた。

両国に挟まれたカンボジア政府は気が気ではなかったろう。だが、中国製ワクチンについての否定的報道は国内報道ではいっさい表に出ない。それでも政府・保健省とて気が気ではなかったというのが本音に近い。

そこに8月入って米国や日本からワクチンがわずかだが無償提供され、WHOが呼びかけて世界的なワクチン供給組織(COVAX)からもワクチンが届き始めた。いずれも欧米ワクチンである。日米の支援でもあって現在、米国や日本とも良好な関係である。一番ヤキモキしているのは、中国であろう。

 

さらに中国製ワクチンが追加供与が加わり、既に18歳以上の国民の6割が2回接種を完了(日本4割弱)さらに13歳~17歳へのワクチン接種が8月1日から始まっている。東南アジアでは接種率では抜群に高い。インド変異種デルタ株の蔓延とワクチン接種の進行が時間を競っている感があり、プノンペンでの緩やかな規制もワクチンが時間的に一歩先じたお陰である。なお、カンボジアではワクチン接種者に3回目の接種も一部で進めている。

カンボジアは小国であることも幸いしている。特に中国人以外の在カンボジア外国人にとって職住近接のプノンペン都中心部に住んでいることが幸いしている。それゆえに在カンボジア欧米系や日本人では、中国人や東南アジア系の外国人と比べて感染者数が極端に少ない。だが、これも8月に入って状況が大きくかわった。

カンボジアのワクチン接種は停滞気味、タイが増加、ベトナムが猛追

カンボジア、タイ、べトナムの感染者数の推移

カンボジアについては、全く当てになりません。先週、ようやく保険省が公式発表は実数ではないと認めた。

カンボジア、タイ、ベトナムのワクチン接種状況の推移

SAI TRAVEL グループ NEW SAI TRAVEL プノンペン支店:駐在員ー

 

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